【活動報告】葉山地区20周年記念・オリジナル盆踊りが完成!1年にわたる制作の舞台裏

2026年5月14日 投稿者: author 0

なんか久々にこっちのHPを更新するような気がします(汗)

今回は、一人の作曲家として、そして地域に根ざした活動を続ける者として、非常に思い入れの深い(そして凄まじいハードワークでもあった)プロジェクトが完結しましたので、その全貌をご報告します。

それは、「葉山地区20周年記念・オリジナル盆踊り制作」です。


■ ことの始まりは2025年5月

すべては1年前の5月、「町内に作曲家はいないか」という一本の相談から始まりました。共通の知人を介してご紹介いただいたのは、葉山地区の老人クラブ「ひまわり会」の皆さん。

お話を伺うと、「2026年に迎える団地創立20周年に合わせ、自分たちの新しい盆踊りを作りたい」という、地域愛に満ちた素晴らしいご相談でした。ここから、足掛け1年にわたる挑戦がスタートしました。




■ 難航した楽曲制作と「歌」へのこだわり

楽曲制作の行程を説明し、いざ着手。しかし、ここからが試練の連続でした。 当初作成したデモ曲に対し、「どうしても歌えない」という壁にぶつかったのです。3回のメロディ書き直しを経て、最終的には全く別の新曲を書き下ろすことに。

苦労の甲斐あって、新曲のデモにはすぐさま「OK!」をいただきました。しかし、安堵したのも束の間、次の言葉に私は「ギョッ」とすることになります。

「では次は、レコーディングをやりましょう」




■ 19名の歌い手と、公民館での「強行軍」

私の本来の担当は「作曲」までだったはず……。しかし、「どうしても町内で、自分たちの手で作りたい」という先方の強い意志に、私の心も決まりました。

設備が整った専門スタジオではなく、町内公民館のスタジオでのレコーディングを強行。ひまわり会のメンバー14名、そして地域の小学生5名、総勢19名の歌声を一人ずつ収録しました。

しかし、しーーんと静まり返ったスタジオ。レコーディング担当の私と先方担当者が見守る中、一人でマイクに向かう緊張感は、まるでオーディション会場のよう。 後日データを再生して再び「ギョッ」としました。緊張のあまり、ピッチもリズムも……。でも、そこには一生懸命に吹き込まれた「魂」がありました。




■ 大晦日から三が日の「音の救済作業」

そこからは、NPOの仕事の合間を縫っての執念の修正作業です。 特に年末年始は、大晦日から三が日まで文字通り「寝ずの作業」。眠気が限界に達した時だけ1〜2時間仮眠を取り、ひたすら19名分の歌声を一つひとつ、丁寧に磨き上げました。

冬の終わりまでマスタリングに時間を費やし、ようやくマスターデータが完成。「これで終わった……」と安堵した私に舞い込んだ最後の大仕事は、CDプレスの代行でした。




■ この曲に仕込まれた「隠し味」ともう一つの物語

実はこの完成した楽曲の間奏には、ひときわ目立つ「太鼓」の音が鳴り響いています。ここには、ちょっとした「隠し味」が仕込まれていました。

私たちのNPOとしての活動である学習支援プロジェクト「利府町寺子屋」。その参加申し込みアンケートの「寺子屋で企画してほしいこと」という欄に、ある子が「太鼓」と書いてくれていたのです。 さすがにモノホン(本物)の和太鼓を会場に用意することはできません。しかし、「DTM(デスクトップミュージック)の機材を使って、MIDIで太鼓を打たせることなら簡単にできるぞ!」と閃きました。

寺子屋の当日、「太鼓」とリクエストしてくれた本人とそのお友達数人に、機材で自由に試打をして遊んでもらいました。そして頃合いを見て、こう切り出しました。

「ちょっと、新曲の制作を手伝ってもらっていい? この太鼓、録音させてもらいたいんだ」

子どもたちはあっさりと快諾! そう、あの間奏で力強く鳴り響いている太鼓の音は、私が打ち込んだのではなく、寺子屋に集まった子どもたちが実際に打ち込んだビートなのです。葉山地区の皆さんの歌声と、寺子屋の子どもたちの太鼓。思いがけない形で、世代を越えたコラボレーションが実現していました。




■ 1年の歳月を経て届いた、5月12日の記念CD

慣れない工場とのやり取り、複雑な納品フローに四苦八苦しながらも、4月予定から少し遅れた5月12日、ついに完成したCDが手元に届きました。

2025年5月の出会いから、ちょうど1年。 ここに、葉山地区20周年の想いを込めた盆踊り制作に、ピリオドを打つことができました。





■ 今回の教訓

「レコーディングは、ちゃんとした専門スタジオでやろうね。」
 (……とはいえ、あの公民館での緊張感と熱量があったからこそ生まれた、唯一無二の響きがあるのも事実です。)




■ さいごに

何はともあれ、葉山地区の皆さん、20周年本当におめでとうございます! この盆踊りが、これからの20年、30年と、地域の皆さんに愛され、踊り継がれていくことを心から願っています。

走り抜けた1年。私にとっても、忘れられない大切な作品となりました。